スポーツでの怪我等のアイシングについての知識と当整骨院でのアイシング活用法
2023/07/13
こんにちは、大田区東糀谷の大鳥居駅東口より徒歩2分の場所にある髙山整骨院の髙山です。
今回はアイシング(icing)について書いていきたいと思います。
皆さんの中にも捻挫や肉離れ、打撲などの怪我をした時に「冷やす」といったことが思い浮かぶと思います。
この怪我して冷やすというのは誰しも経験したことがあるものかと思います。
学生であれば怪我して保健室で氷で冷やす、プライベートで遊んでいて怪我をしたら自宅の氷で冷やす、スポーツで怪我の応急処置として冷やすなど様々なシーンでアイシングをしている方が多くいらっしゃると思います。
しかし、近年ではアイシングに対する否定的な知見が散見されるようになり、アイシングに対しての良し悪しについて賛否があります。
多くの場面でアイシングが使われているにもかかわらず、このような賛否の意見が出ているのか?今回はアイシングの目的やアイシングを行ったことによって組織がどのように変化していくのかなどの知識をお伝えしながら当整骨院でのアイシングの活用方法なども紹介していきます。
例えばスポーツ時に怪我をしたとします。
皆さん1度はすぐに冷やした経験があると思いますが、どのような効果、アイシングのメリットなどを考えたことがあるでしょうか?
そこでまず、アイシングの目的についてお話します。
アイシングの目的としては、炎症症状の抑制、二次的組織損傷の抑制、筋緊張の緩和などが挙げられます。
身体を冷却することによって生じる神経伝達速度の低下や筋紡錘・ゴルジ腱器官の活動性低下による伸張反射の軽減は、神経筋接合部の活動低下と興奮収縮連関の機能破綻の抑制に伴う過度な筋緊張を緩和させ、疼痛閾値が上昇することによって疼痛が軽減されます。
さらに、損傷部位やその周辺を冷却することによって、その周囲の代謝レベルの低下や血流抑制が起こり、細胞組織の酸素需要量を低下させ、二次的組織損傷抑制と患部の腫脹(腫れ)を軽減することができます。
少し難しくなってしまいましたが、簡単言うと、①痛みが軽くなる②腫れを軽減できるということです。
これらの効果に期待してスポーツ現場などで多くの方がアイシングを実践しています。
一方で「RICE:The End of Ice Age」、RICE処置における冷やすことは終わったとの報告もあり、近年でアイシングについて賛否が分かれています。
これはアイシングが応急処置からコンディショニングまで幅広く活用されてきましたが、アイシングが否定的に捉えられているのは、冷却が必ずしもポジティブに作用しないという知見が複数研究として存在するからです。
様々な研究論文では、足関節捻挫をした集団に対して冷却と圧迫を併用することは圧迫だけよりも治癒を促進するという根拠が薄く、また急性期軟部組織損傷後のアイシング実施について、アイシングとエクササイズを併用することが最も有効であるという結果であったが、アイシングが有効であるという説明にはならないことを示している。
これらの結果を踏まえるとアイシングすることが軟部組織損傷後に有効であるとは断言できないと言えます。
私が見た記事の中にはオランダのサッカーチームで選手が足関節捻挫をしてトレーナーがすぐに冷却して、スポーツ病院に連れていったところ、そこの医師から「なんで冷やしたんだ!」とトレーナーが怒られたとも書いてあり、その医師は冷却後の修復に重きを置いていたためで、その記事の最後にはこのようなケースでオランダのサッカー選手の大半が冷却をしないとも書いてました。
では実際に骨格筋損傷をしたものに対して冷却を行うとどのようなことが起こるのか?説明していきます。
その前に骨格筋損傷後の修復はどのようにして行われているのか、生理学的な観点から簡単に説明していきます。
骨格筋は損傷しても、自らが持つ再生能力によって修復をしていきます。
これは骨格筋の幹細胞である筋サテライト細胞の活躍によるものです。
筋サテライト細胞は普通静止期にありますが、損傷が発生することによって活性化し、筋芽細胞へと増殖・分化していきます。
筋芽細胞は既存の筋線維に融合あるいは筋芽細胞同士が融合し、筋形成や筋再建していきます。
これが筋損傷後の修復のメカニズムになっています。
では、損傷した骨格筋にアイシングを行うとどうなるのか?
損傷直後にアイシングを施したことによって、筋サテライト細胞の増殖・分化のマーカー遺伝子(Pax7、MyoD、Myogenin)の発現誘導が減弱していることが分かっています。
アイシングによる筋サテライト細胞の活性化不全が骨格筋再建が遅くなることを示していることがわかります。
さらに骨格筋再建が遅くなると骨格筋の線維化が生じ、この線維化は不可逆性(戻らない)の変化で、瘢痕組織化の原因となります。
結果、骨格筋損傷後のアイシングは、骨格筋の再建を遅らせるだけでなく、再建を不完全なものにするといったデータが出ています。
骨格筋でのデータだけでなく、靭帯や腱の損傷時のアイシングでも同じような現象が起きていて、アイシングのメリット・デメリットを考えると安易に怪我をしてすぐに冷却するというのは疑問が残ります。
目的に応じて冷却をすることは良いことですが、冷却後の組織変化も念頭に置いてアイシングする必要があります。
スポーツ現場でのアイシングの利用方法として試合間の時間にアイシングを行うことによって効果を発揮するものもあります。
次の競技実施の時間はタイミング、冷やした後の筋温によって違ってくるので、どのタイミング、筋温でスポーツを行うかなどの使用の仕方が重要です。
今回は一つ例を出します。
トレッドミルにてジョギングした研究にて、筋温上昇に伴ってパフォーマンス向上に繋がるとしていますが、逆に筋温が40.7度~40.9度まで上昇した際には運動遂行能力が不可能になったなどの見解もあります。
筋温が低すぎても、高すぎてもダメなことから、適正温度に筋温を持っていくのはパフォーマンス向上に繋がるので状況に応じてアイシングを行うことの有効性がわかります。
他にも環境に応じてアイシングを行ったり、運動後に行ったりなどの方法やクライオセラピーなどの使い方もありまあす。
今回は割愛しますが、様々な使い方があり賛否両論ある問題ですが、今回は損傷後の細胞にフォーカスして書いてみました。
当整骨院では怪我で来院する方が多くいらっしゃいます。
骨折や脱臼、捻挫、打撲、挫傷(肉離れ)など様々な急性期の怪我を診ますが、基本的にはアイシングはしない方法を採用しています。
私の考えでは修復優先で細胞組織の構築を早期に行っていきたい方針なので、アイシングは基本的には使いません(例外もあります)。
しかし、まったく使わないというわけではなく、対象としているものもあります。
突発的な炎症による熱感や腫脹の際にはアイシング行ったりもします。
さらに施術時に額を冷やしながら施術を行う方もいらっしゃいます。
今回はアイシングについて書いていきましたが、専門的な用語や言い回しがあったので難しかったと思います。
専門的な用語で解説も入れていきましたが、基本的な情報を認識してもらいアイシングを目的に応じて使うことや改めてアイシングの意義を考えてもらえればと思います。
当整骨院は大田区で怪我以外にも慢性的な首や肩、腰・骨盤のお悩みや、身体の不調からくる頭痛、自律神経の不調、産前・産後整体、小顔矯正などのお悩みも解消する施術も行っていて、完全オーダーメイドで施術を行っていきます。
平日月曜日~金曜日 午前8:30~12:00 午後15:00~19:30 土曜日は8:30~15:00まで通しで営業しています。
仕事でお忙しい方の慢性的な身体の不調、女性の美容などについて悩まれている方は髙山整骨院を是非ご検討ください。
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